日奈嬌さん、普段はしっかり者の同僚。しかし、その日の飲み会では少し様子が違っていた。普段は見せないような、どこか甘えた雰囲気を漂わせている。
お酒のせいか、頬を赤らめ、少し潤んだ瞳でこちらを見つめてくる。その視線に、胸が高鳴るのを感じた。
「あの…少し飲みすぎちゃったかな…」
日奈嬌さんの言葉に、介抱しようと手を差し伸べると、ふわりと甘い香りが鼻をくすぐる。近すぎる距離に、ドキドキが止まらない。
普段の仕事中では考えられないような、大胆な一面を見せる日奈嬌さん。酔った勢いとはいえ、彼女の素顔に触れられたような気がした。
帰り道、少しふらつく彼女を支えながら、タクシーを待つ。その間、日奈嬌さんは小さな声で、仕事の悩みや、ちょっとした愚痴をこぼしていた。
普段は聞けない本音を聞けて、なんだか少しだけ、彼女との距離が縮まったような気がした。
タクシーに乗り込み、家まで送り届けた後、彼女は少し寂しそうな顔で「今日はありがとう…」と呟いた。その言葉が、胸に深く残った。
翌日、会社で会った日奈嬌さんは、いつもの凛とした表情に戻っていた。しかし、目が合うと、ほんの少しだけ微笑んでくれた。昨夜の出来事が、まるで夢だったかのように。
あの夜、酔った日奈嬌さんに見せた素顔。それは、普段の彼女からは想像もできない、甘く、そして少し切ない魅力に満ち溢れていた。
